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演奏を聴いているだけで、この人はいい人なんだろうなぁ、という人柄が出てくる演奏家がいる。スペインの名花ロス・アンヘレス（Victoria de los Angeles, 1923〜2005年）。とりわけライブが良かった。癖のある個性を強調した歌い方ではないのに存在感があって、正当な解釈で役の違いを歌い分けているのに、ロス・アンヘレスの大衆を感じる、という美空ひばりに感じる一面と共通したところのある。不思議な歌手だ。
人生がドラマティックなマリア・カラス。AIで蘇るほど、未だに人気の高い美空ひばりと違って、久しく忘れられている。まず彼女の歌声に嫌悪感を抱くことはないだろうし、シューベルト、ブラームスの有名なリート。フォーレ、アーン、ドビュッシーのシャンソン。そして母国の作曲家達。かなり豊富なレパートリーが入っているので。歌曲初心者にもお勧めです。
ピアノ伴奏は名手ジェラルド・ムーア（Gerald Moore, 1899〜1987年）。