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2014年6月11日に癌のために80歳で亡くなったスペインの大指揮者、ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスはファリャ作品の録音をはじめとするスペイン音楽の第一人者として知られますが、オルフの《カルミナ・ブラーナ》やモーツァルトの《レクイエム》など、非スペイン音楽でも名盤を残しました。彼の録音キャリアは50年以上に及び、1960年代の初期録音の大半はEMIのために行われました。
フリューベック・デ・ブルゴスのモーツァルトの《レクイエム》は、録音の良さ、演奏の優秀さや、聴きやすさからして、最初の一枚として十分お薦めに値する演奏です。「マイスタージンガー」がベストセラーなったフリューベック・デ・ブルゴスの「レクイエム」は強音部分や官能的な個所を極度に強調することなく、全体のバランスや流れが考慮され、ソリストやニュー・フィルハーモニア合唱団とのハーモニーが絶品です。落ち着いて細部まで丁寧に演奏されております。とくに女声独唱陣が優秀です。演奏も美しく、ケルテス盤より彫が深い。感心して聴き入りました。彼岸に逝った親愛なる人々の生活を想う時、多くの人が期待するのはこのような演奏でしょう。