クラウドソーシング「ランサーズ」

2019年09月11日

FR PATHE DTX218-221 カンポ、ランダル&ロスバウト モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」

《通販レコードのご案内》 過剰な表現を排し、モーツァルトの美しさを端的に描き出すロスバウトの指揮で聴けば、何かしらその作品に対する発見がある。「ハンス・ロスバウト指揮」とクレジットされていたら、どんな作品でも、一度聴いてみることをおすすめする。


FR PATHE DTX218-221 カンポ、ランダル&ロスバウト モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」

品番34-20598
商品名 FR PATHE DTX218-221 カンポ、ランダル&ロスバウト モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」
レコード番号 DTX218-221
演奏者 アントニオ・カンポ シュザンヌ・ダンコ ニコライ・ゲッダ マルチェッロ・コルティス テレサ・シュティヒ=ランダル 他
作曲家 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
指揮者 ハンス・ロスバウト
オーケストラ パリ音楽院管弦楽団 エクサン=プロヴァンス音楽祭合唱団
録音種別 MONO
ジャケット状態 EX
レコード状態 EX++
製盤国 DE(ドイツ)盤
グレード(オペラ) ミディアム

販売レコードのカバー、レーベル写真

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レーベル・ワンポイントガイド

仏 Pathé Marconi 初期》は、フランスのメジャーレーベル。1960年代、パテ・マルコーニは、 英パーロフォン・レーベルを通じて、ビートルズのフランス盤をプレスして全盛を花咲かせた。Pathé-Marconiという名称は、19世紀の終わりからレコード盤と録音機のリーダーであるエミール・パテ(1860〜1937)と無線電信の開発で知られるイタリアのボローニャ生まれの発明家でノーベル賞受賞者のグリエルモ・マルコーニ(1874〜1937)に敬意を表して選ばれました。正確な社名は、「Les Industries Musicales et Électriques Pathé-Marconi, Compagnie Générale des Machines Parlantes Pathé frères et Compagnie Française du Gramophone réunies(音楽レコードと電気機器のパテ・マルコーニ、蓄音機のためのパテ兄弟とフランス・グラモフォンの合弁会社)」です。その「Les Industries Musicales et Électriques」は、英国の親会社EMI(Electric and Musical Industries)のフランス語化です。ミュージカル&エレクトリカル・インダストリーズ・パテ・マルコーニは、1936年12月12日に英EMIと、1899年からフランスで蓄音機を生産してきた、パテ兄弟のジェネラル・カンパニーの合併から始まりました。1897年に設立されたシャトー工場は、レコードやその他の多くの独立系ブランドのプレス、テレビやラジオ送信機の製造に使用していたほか、トノン・レ・バンの工場では、ターンテーブルとスペアパーツを設計しています。
総合カタログとして、パテ・マルコーニは、コロンビア、H.M.V.レーベルから児童向けのレプラコーンまで及びます。1951年にはアメリカのVoxレーベルと提携して、Pathé-Voxを設立。1957年にかけてメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(映画のサウンド・トラック)を発売しました。EMI側は1953年にAngel Recordsを設立。同じ年、Cetra-SoriaはCapitolに売却され、1955年にEMIによって買収されて、Capitolはイギリスを本社とする北米部門として機能しました。1957年、CapitolはAngel RecordsとCetra-Soriaと合併し、Capitolに集約されます。
オデオンと、パーロフォンの両レーベルを1950年代、1960年代を通して一手に発売。第2次世界大戦後繁栄し、ヨーロッパの音楽業界の主要企業の1つになった。クラシックの分野では、1950年代の終わりまで、世界的リーダーの1つであり、その録音はパテとコロンビア・レーベルからリリース。1957年、シャトー工場だけで3,000人近くの従業員を抱えて1日に54,000ものレコードを生産して、 同社は年間1500万レコードを販売していました。1970年代後半に衰退が始まり、1990年にEMIフランスとなると共に、シャトーでのレコード・プレスは停止され、生産拠点はドイツのケルンに移転された。

  • Record LabelDARK GREEN WITH SILVER LETTERING
    Recording & WeightMONO 4枚組 (150g/150g/150g/140g)
    Release & Stamper-
    • 通販レコード
    • オーダー番号34-20598
    • 販売価格15,000円
      (税別)
    • 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。

詳細掲載ページ
https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=20598

ハンス・ロスバウトは、1895年にオーストリアのグラーツで生まれている。1962年に死去したが、ドイツの古典的な名曲のほかに、近代および現代の作品を熱心に紹介したことでも有名である。彼の指揮する音楽は、極めて明快であり、いかにもすっきりしたリズム感をおいている。そのために、土台のしっかりした安定性のあるものといった印象も与えるのである。その意味では、協奏曲、オペラの指揮でも適任だったということができる。
フランクフルトのホーホ音楽院でアルフレート・ヘーン(ピアノ)、ベルンハルト・ゼクレス(作曲)に師事した。1921年にマインツ市立音楽学校の校長に任命され、1928年にはフランクフルト放送交響楽団の初代音楽監督に就任。その後、ミュンスター、ストラスブール、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽総監督を歴任し、1948年からバーデン-バーデンの南西ドイツ放送管弦楽団の首席指揮者としてコンサート、録音を積極的に行った。それだけでなく、各地のオーケストラへの客演を多くこなしたり、1948年から始まったエクサン・プロヴァンス音楽祭でモーツァルトのオペラを振ったり、1957年にチューリヒ・トーンハレ管弦楽団の首席指揮者の座に就いたりと、活動の場を広げていた。
1954年にフランシス・プーランクは「音楽ファンは、最も偉大な指揮者はトスカニーニだと信じている。しかし音楽家は、それはハンス・ロスバウトだということを知っている」と語った。自作をレコード録音して売り出すことで、ポピュラーな音楽家としてアピールした、プーランク以降の世代にとっては、確かにそうかもしれない。ロスバウトは権威の人というよりは、現場の人であり、最後まで若き才能の共感者であり続けた。現代音楽との向き合い方をみても、商業主義に支配された21世紀の現在ではアンダーグラウンドに追いやられるので、こうはいかないだろう。プライベート録音で残す演奏家が増えるまでには時期があるし、レコード会社も試みを重ねるためにも様々な録音に積極的だった時代であり、そのスタンスは啓蒙的かつアグレッシヴで、しかも柔軟だった。
ロスバウトにはピアニストとしての一面もあり、バルトークの2台のピアノと打楽器のためのソナタでは、第二ピアノを受け持ち、音楽の流れを損なうことなく雄弁に弾きこなしている。エクサン・プロヴァンス音楽祭で、エリザベート・シュヴァルツコップ(1954年)やテレサ・シュティッヒ=ランダル(1956年)のために伴奏を務めたこともある。取り上げた作曲家はバッハ、ペルゴレージからヴォルフ、ドビュッシーにまで及ぶ。無論、モーツァルト、シューベルト、シューマンの歌曲もある。余分な響きを抑制したロスバウトのピアノは、美声に融合するというよりも、美声を引き立てることに徹しているようだ。
作品の細部も全体も、この人の指揮で聴くと非常につかみやすく、小難しいイメージのある現代音楽が比較的すんなりと聴ける。その解釈には甘さがなく、アンサンブルの響きも細かく配慮されていて、純器楽的な美しさを発現させる。若き日の ― 辛口で過激だった頃のブーレーズは、その指揮法をよく観察していたという。ロスバウトの影響を受けた一人と言っていいだろう。
その演奏は情感がないと言われることもあるが、それは指揮者本位の感情移入が少ないという意味であって、一音の扱いに傾けられる神経の鋭さ、細やかさは強靭な集中力を要するものである。シモン・ゴールドベルクや、ジョージ・セルをあげるまでもないだろうが、冷たく、あるいは、乾いた質感で響くことがあっても、実は、その音を出すために計り知れないほどの配慮がなされているものだ。楽譜を丁寧に読み込み、各パートの音色やフレージングに十分神経を行き届かせた上でなされる彼らの演奏が、今日現在も手垢がついていない新鮮な音楽として響くのだから、これは類稀なる知性と情熱の産物と言うほかない。
ハンス・ロスバウトのレパートリーは広い。バロック音楽初期の、ラモーからシュトックハウゼンまで手中に収めていた。大半はヨーロッパの作品だが、音楽史的にも、作曲家の傾向的にも、おそろしく広範囲である。何しろ20世紀の重要作品であるシェーンベルクのオペラ『モーゼとアロン』、ブーレーズの「ル・マルトー・サン・メートル」、クセナキスの「メタスタシス」の世界初演を務めた人なのである。から、現代音楽のマイスターというイメージがある。
通好みの指揮者に見られがちなロスバウトだが、録音は非常に多く、ラモーの『プラテー』、モーツァルトの『後宮からの逃走』『コシ・ファン・トゥッテ』『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』、ワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』、J.シュトラウスII世の『こうもり』、シェーンベルクの『モーゼとアロン』などの歌劇、楽劇の録音(ライヴ録音も含む)が残っている。いずれも純音楽的と言いたくなるようなアプローチで、全体的に声楽と管弦楽をそれぞれ「音」として純粋に響かせようとしている印象がある。譜面へのメスの入れ方が鋭くて深いので、ほかの指揮者では聴くことができないような音も聴こえてくる。特にラモーの『プラテー』は、古さも冗長さも全く感じさせず、音楽が終始生き生きとしていて、各パートの響きがとてつもなく心地よい。
モーツァルトの音楽が耳に届かないことがないような現代からしたら驚きだろうが、ロスバウトは戦前のSP時代からモーツァルトを録音するなど、この作曲家の演奏を得意としており、1948年にフランスのエクサンプロヴァンス音楽祭が設立された際には、初年度に《コジ・ファン・トゥッテ》を指揮した後、毎年モーツァルト・オペラを上演し、モノラル時代に《フィガロの結婚》と《ドン・ジョヴァンニ》の歴史的名盤を残しています。その演奏に共通するのは、ロマン主義を克服した新古典主義的(新即物主義的)な演奏様式です。SP時代にピアノ協奏曲第9番でヴァルター・ギーゼキングと当時としては非常に新しいスタイルで共演録音を行っていることなど、そのことを証明しています。
第二次大戦後まだ間もない1948年夏、プロデューサーのガブリエル・デュシュルジェの発案により、南仏エクス=アン=プロヴァンスで初の音楽祭が開催される運びになった。これが先行するザルツブルクやルツェルンといった夏のフェスティヴァルに想を得たものであることは明らかだが、より直接には1934年に英国で始まったグラインドボーン音楽祭こそがその発想の原点であったとおぼしい。手頃な大きさの劇場的空間を用意して、そこで理想的なモーツァルト・オペラを上演する、というアイディアは、まさしくグラインドボーン音楽祭の創設者ジョン・クリスティが思い描いたものだったからだ。
グラインドボーンがそのために不世出の指揮者フリッツ・ブッシュを擁したように、デュシュルジェも彼の音楽祭のかなめとなる「モザルティアン」、すなわち優れたモーツァルト指揮者をリクルートしてくる必要があった。
「モーツァルトのオペラだったら、ハンス・ロスバウトこそが適任だ」 ― そう助言してくれたのは指揮者仲間のエルネスト・ブールだったという。ロスバウトには第二次大戦中、ストラスブールで活躍した前歴があり、その抜擢にはいささか難色を示す向きもあったのだが、デュシュルジェの決意は揺るがなかった。フリッツ・ブッシュに勝るとも劣らないマエストロをなんとしてもエクスに招聘せねばならない。音楽祭の正否はひとえにこの人選にかかっていることを彼は熟知していたのである。
1956年7月12日、モーツァルト生誕200周年を祝うフランスのエクサン・プロヴァンス音楽祭の目玉となったロスバウトによる『ドン・ジョヴァンニ』は大絶賛され、同年9月20〜28日にはEMIフランス(パリ)で同じメンバーによるセッション録音が行われました。

配役:テレサ・シュティヒ=ランダル(ドンナ・アンナ)、ニコライ・ゲッダ(ドン・オッターヴィオ)、シュザンヌ・ダンコ(ドンナ・エルヴィラ)、アンナ・モッフォ(ツェルリーナ)、アントニオ・カンポ(ドン・ジョヴァンニ)、マルチエロ・コルティス(レポレッロ)、ローランド・パネライ(マゼット)、ラファエル・アリエ(騎士長)

過剰な表現を排し、モーツァルトの美しさを端的に描き出すロスバウトの手腕は驚くべきもので、協奏曲ではソリストを尊重し、アリアでは歌手を引き立てながらも、きびきびとしたテンポによる清冽な伴奏を付けています。キャストの中ではシュザンヌ・ダンコ(ドンナ・エルヴィーラ)、ニコライ・ゲッタ(ドン・オッターヴィオ)が特に目立っていましたが、アンナ・モッフォ(ツェルリーナ)が歌う “ Batti, batti, o bel Masetto ” は速目で淡々と進んで行き、徹底的に即物的とまでは言えないもののフルトヴェングラーのそれを対極において、同年代の《ドン・ジョヴァンニ》の演奏とは違い、どこかクレンペラーに通じるところがありそうです。語弊のある言い方には注意して欲しいが、全体的にアリアがあまり目立たないのに、何故か物語の進行に惹きつけられる独特の臨場感がありました。「コジ・ファン・トゥッテ」を「アンサンブル・オペラ」と称することがありましたが、この《ドン・ジョヴァン》にも同じ呼称が似合いそうです。過剰な表現を排し、モーツァルトの美しさを端的に描き出すロスバウトの手腕は驚くべきもので、協奏曲ではソリストを尊重したように、アリアでは歌手を引き立てながらも、きびきびとしたテンポによる清冽な伴奏を付けています。キャストの中ではシュザンヌ・ダンコ(ドンナ・エルヴィーラ)、ニコライ・ゲッタ(ドン・オッターヴィオ)が特に目立っていましたが、オーケストラといい、歌手といい同時期のザルツブルク音楽祭と対照的な《ドン・ジョヴァンニ》です。
多くの指揮者が歳を重ねるにつれて古典派・ロマン派に偏っていくのとは異なり、ロスバウトは1962年に67歳で亡くなるまで、「最新作」を指揮し続けた。亡くなる前年に録音されたハウベンシュトック=ラマティの「クレデンシャルス、あるいはシンク、シンク・ラッキー」やケッティングの交響曲第1番などからも、その尖鋭性が健在だったことが分かる。
初期盤はフラット盤で本盤はセカンドとなります。盤の状態はモノラル盤としては非常に良いコンディションです。


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初期盤・クラシックレコード専門店「RECORD SOUND」

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Posted by analogsound at 21:00│Comments(0)オペラ
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