1950年代の末期から1960年代に珠玉のレコードを数枚出しているアニー・フィッシャーは、レコードの数が少なく、最近はあまり話題にならないピアニストだが、モーツァルトのピアノ協奏曲の3枚は、いずれもステレオ録音で、かなり自然なよい音でとれている。
伴奏の指揮者は、まだ青年時代のサヴァリッシュだ。サヴァリッシュが素直に付けている伴奏が、いくらか遠慮がちに聴こえてくるほど、スケール感のある演奏に、随所に強弱のアクセントをはっきりさせながら「第21番」の第1楽章を堂々と進める。第2楽章に暝想的なものを求める聴き手には物足りないかもしれないが、明瞭な音づくりで一貫している。終楽章も、あっさりとまとめており、贅肉をそぎおとした、きりりとしたモーツァルトだ。
「第22番」は、雰囲気が濃い第1楽章、粒立ちの良いピアノの音がひっそりとした世界を作り上げていく第2楽章、終楽章に至っても、小ぢんまりとした世界をつくろうとする意図がはっきりしている。
ピアノの技巧的な面ではもっと他に上手い演奏がないではないが、切々と心から訴えてくるこのアプローチには、つい引きずり込まれてしまう。そのくっきりとした音楽づくりが、ピアノという楽器の魅力を充分に味わわせてくれる演奏家だ。
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