ハンス・リヒター=ハーザーは、ベートーヴェンやブラームスを得意とした、20世紀のドイツ音楽界の重鎮であった。そして、その「重鎮」という表現から想像し得るような重厚な演奏スタイルで尊敬されていたピアニストである。
リヒター=ハーザーとイシュトヴァーン・ケルテスは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲も録音しているが、牛刀で鶏を割くようなところがあるモーツァルト演奏となっている。この他にリヒター=ハーザーの録音しているモーツァルトのピアノ協奏曲は見当たらない。第17番と第26番をセレクトしたのはなぜだろう。
ケルテスの指揮するフィルハーモニア管弦楽団の演奏は、フワッとした軽やかさと柔らかさがあり、リヒター=ハーザーのピアノが錘となっていぶし銀の味わいを加えている。ケルテスの軽さが暴走しないように牽制しているのと相身互い、ともすると哲学的に沈潜しがちなリヒター=ハーザーにケルテスが新鮮な空気を送り込むような役割を果たしている風情だ。こうも気風の合わない二人なのだが、お互いの持たざる気質がうまくかみ合って、第17番と第26番だったのが納得できる、絶妙な演奏が生まれているのが面白い。
20番や25番で聴いてみたくもあるが、楽曲の力が優っていてはこの絶妙を味わいそこねたかもしれない。
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