イタリアの指揮者、ヴィットリオ・グイは、フィレンツェ五月音楽祭を創始した、イタリア・オペラ界の大立者であった。その名声に比べて商業録音がさほど多くないこともあって、アルトゥーロ・トスカニーニやヴィルヘルム・フルトヴェングラー等のように注目を集めたり、崇拝の対象になったりすることはなかったが、その残された録音からは溌剌とした指揮者の息吹を感じ取ることができる。
英国の資産家ジョン・クリスティが、自国にオペラを根付かせようと、自宅の敷地内に約300席のオペラ・ハウスを建設したのが、室内オペラのメッカとして現在も名高いグラインドボーン音楽祭の始まり。オーケストラはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団が実体だが、グラインドボーン音楽祭期間中は「グラインドボーン音楽祭管弦楽団」として当地の劇場のオーケストラ・ピットで演奏しており、そのグラインドボーン音楽祭の流儀で録音しているので、ここでは「グラインドボーン音楽祭管弦楽団」の名義でクレジットされている。
グラインドボーンはプライベートな劇場であり、音楽祭なので、やはりどことなく高雅な雰囲気がありグラインドボーンはそれなりの伝統を楽しんでいるという。この特異なグラインドボーンはウィーンやバイエルンやミラノなどの他の劇場では決して味わえない、特別なものだろうと思う。クラシック音楽の世界遺産レベルの、ここでの音楽体験はオペラ・ファンならずとも一度体験したいものだが、本盤はその合間を縫って製作したモーツァルトの38番。その雰囲気だけでも、このブッシュが成功裡に終ったローマの名手グイの名演で楽しんで頂けたらと思います。
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