シューベルトのミサ曲は、親しみやすい美しさにあふれたものが多く、ときに感傷的な旋律も交えながら、平明さの中にもときおり独自の奥深さをのぞかせる音楽が印象的。シューマンやブラームスのような味わいは皆無なことは心得て聴いてほしい。作曲された時代は古典派とロマン派の端境期で、志向していた音楽はロマン派的、しかし技法的には古典派的というシューベルト独特の立ち位置を、サヴァリッシュはあくまでも楽譜に即した形で甘美さに溺れることなく入念に表現、結果としてシューベルトの音楽の多様性が際立つことにもなり、情報量の多さが作品の包含する可能性についても考えさせてくれるのが印象的です。
「古典的ミサ曲」を目指したシューベルトの意図を、サヴァリッシュが明確に描いている、シューベルトが書いたミサ曲は6曲のうち第4番までが10歳代の頃に書かれ、第5番は20歳代半ば、第6番は31歳の死の直前に書かれており、規模も内容もまったく異なったものになっています。
ヴォルフガング・サヴァリッシュは、古典派・ロマン派から近代までのドイツ音楽の幅広いレパートリーを誇る名指揮者ですが、シューベルトについてはマイナーな曲まで積極的に取り上げ、宗教的合唱曲と世俗的合唱曲の全集を録音しています。これはシューベルトの交響曲全集を録音し終えたサヴァリッシュが、ふたたびドレスデンのオーケストラと録音したミサ曲。ヘレン・ドナート、インゲボルク・スプリンガー、ペーター・シュライアー、テオ・アダムなど、1971年当時の旧東ドイツを代表するソリストを集め、虚飾を排した峻厳で美しい演奏を聴かせている。
1971年6月ドレスデン、ステレオ・セッション録音。
レコードサウンド/カテゴリ指定
詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。プライバシーに配慮し、会員登録なしで商品をご購入いただけます。梱包には無地のダンボールを使用し、伝票に記載される内容はお客様でご指定可能です。郵便局留めや運送会社営業所留めの発送にも対応しております。
入手のメインルートは、英国とフランスのコレクターからですが、その膨大な在庫から厳選した1枚1枚を大切に扱い、専任のスタッフがオペラなどセット物含む登録商品全てを、英国 KEITH MONKS 社製マシンで洗浄し、当時の放送局グレードの機材で入念且つ客観的にグレーディングを行っております。明確な情報の中から「お客様には安心してお買い物して頂ける中古レコードショップ」をモットーに運営しております。