その骨太なタッチは、軽やかで楽天的なモーツァルト像からは、程遠く、質実剛健で嘘のない演奏展開で聴く者を捉えて離しません。
アルトゥール・シュナーベル(1882〜1951)はポーランドのリプニク(旧オーストリア領)に生まれた。1889年7歳でウィーン音楽院に入り、1891年から1897年に名教授テオドール・レシェティツキ(1830〜1915)に師事した。1901年ベルリンにデビュー、1933年までこの地を本拠にした。その後1933年にロンドンに居を構え、1939年にアメリカに移住した。
プロ・アルテ四重奏団のメンバーから、アルフォンス・オンヌー(ヴァイオリン)、ジェルマン・プレヴォ(ヴィオラ)、ロベール・マース(チェロ)が参加しての、ピアノ四重奏曲第1番ト短調 K.478。モーツァルトの室内楽 ― わけても弦楽四重奏曲、五重奏曲は、それ自体が珠玉である。この世の中に、これほど無条件な美しさを持った音楽はない。それはハイドンの室内楽を母体として、さらに特殊の芸術境を開いたたものであるが、ハイドンとは全く異なった、もっと華麗で、もっと明朗で、そしてもっと美しい珠玉篇の驚くべき連発だったのである。晩年の作品にはト短調のシンフォニーにおける如く、歓楽きわまって哀愁生ずるの趣はあるにしても、その美しさを損そこねる性質のものではなく、かえって深い陰影を加えて、モーツァルトの境地をさらに一段と引き上げたものであったのである。
プロ・アルテ弦楽四重奏団は1911年から12年にかけてベルギーのブリュッセル音楽院の生徒で設立されたクァルテット。1913年にデビューすると間もなく現代音楽のスペシャリストとみなされるようになりました。バルトークやミヨー、オネゲルなどが作品の初演を委嘱するようになります。バルトークの弦楽四重奏曲4番は1928年の作曲で彼らに捧げられたもので1930年にプロ・アルテ弦楽四重奏団によって初演されました。今もメンバーが変わりながらも、100年以上も続いています。シュナーベルともども、質実剛健な音楽性と合致した名演奏を聴かせています。
1934年12月19日ロンドン、アビー・ロード EMI第3スタジオ録音。
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